第1回_株式会社セールスアカデミー様 ―起業家インタビュー― 起業の原点から読み解く、挑戦し続ける起業家たち

2000年の創業以来、インプレス福岡は数多くの起業家・経営者の「最初の一歩」に寄り添い、法人設立印を彫刻してきました。
法人設立印は、単なる事務手続きの道具ではありません。
それは、経営者が未来に向かって覚悟を刻む“原点の証”です。

2026年よりインプレス福岡では、当社が法人設立印を手がけた起業家を訪ね、その後どのような挑戦を重ね、どのような成長を遂げてこられたのかをインタビュー形式でお届けする新企画をスタートしました。

成功の裏にある意思決定、失敗からの学び、そして次に見据える未来。
それらを通じて、これから起業する方、次の成長ステージを目指す経営者の皆さまにとって、確かなヒントと勇気を届けたい―

「法人印彫刻」から始まった物語を改めて紐解いていきます。

目次

株式会社セールスアカデミー 代表取締役 宮脇 伸二様

Fukuoka PRO Market上場、その舞台裏にあった18年の軌跡

2025年12月26日、株式会社セールスアカデミーは福岡証券取引所「Fukuoka PROMarket」へ上場しました。
九州を拠点に、新入社員研修・営業研修の分野で確固たる存在感を築いてきた同社。
代表の宮脇様は、上場発表後まもなく「将来は一般市場、そして時価総額1,000億円を目指す」と力強く語られています。

本記事では、インプレス福岡代表・石松が行ったインタビューをもとに、宮脇代表のキャリアの原点、創業期の苦悩、理念経営の重要性、そしてこれからの日本の人材育成についての想いを、起業家・経営者の皆さまに向けてお届けします。

理系から銀行、そして営業の世界へ——異色のキャリアの原点

宮脇代表は愛知県出身。九州大学理学部物理学科で物理を専攻された、いわば“理系ど真ん中”の経歴の持ち主です。

「浪人時代に物理が本当に好きになって、物理学者を目指していました」
しかし大学生活の中で、「研究室で黙々と研究するより、人と会い、社会と関わる仕事の方が自分の才能を活かせる」と気づきます。

大学3年生の頃には、すでに“将来は起業する”という目標を描いていました。
起業を見据え、選んだ最初のキャリアが都市銀行(三和銀行)でした。
理由は明快です。

「銀行なら社長に会える。経営者の考え方を学べると思ったんです」
ただ、実際に配属された業務の約9割は事務仕事。
理想と現実のギャップを感じ、2年半で転職を決断します。

当時はまだ“転職=ネガティブ”という空気が強い時代。
それでも宮脇代表は、「より経営に近い仕事」を求め、会計系コンサルティング会社へと進みます。

営業との出会いが、人生を変えた

コンサル会社は、即戦力しか採用しておらず「営業職なら採用できる」と言われ、営業として入社。
ところがこの営業の仕事が、想像以上に面白かったといいます。

「コンサルタントより、営業の方がよほど“経営に近い仕事”だと感じました」
顧客の課題を聞き、価値を提案し、信頼関係を築く。
そのプロセスにのめり込み、結果も出し続けます。

そんな中、ホリエモン氏やサイバーエージェント藤田氏の講演を聞き、「自分より少し年上の世代が、すでに上場企業の社長になっている」現実に衝撃を受けます。

「起業するという目標を、仕事が楽しくて忘れていたことに気づいたんです」
そこから「3年以内に起業する」と決め準備を重ね、2007年9月福岡で創業。
これが現在のセールスアカデミーの原点です。

創業期2年間は赤字——月収10万円、資金繰りに翻弄される日々

創業当初の1年目は業務委託契約が複数あり、最低限の生活は成り立っていました。
しかし2年目、3年目にかけてさまざまな事業に手を広げた結果、経営は悪化。

「最初の3年間は、正直ビジネスになっていなかったですね」
月収は10万円。専業主婦の妻と子ども2人、住宅ローン10万8千円。
多くの起業家が経験する“資金繰りの苦悩”を、宮脇代表も例外なく味わっています。

転機となったのは、ある経営者からの一言でした。
「若い営業マンを育てる仕事をやってみたら?」

営業が得意で人に教えることも好きだった宮脇代表は、試しに営業研修を実施。
すると、受講者からも経営者からも高い評価を得ます。

「これはニーズがある。しかも、社会的にすごく価値がある仕事だ」
ここから事業を“営業研修一本”に絞り込みます。

理念と集中——会社を立て直した2つの軸

経営が好転し始めた背景には、明確な転換点がありました。それが、この2つです。

  • 経営理念を本気で作り込んだこと
  • 事業を一つに絞ったこと

「理念を作ること、そして浸透させることが本当に大切である」
宮脇代表は、理念と向き合うことこそが経営の原点だと語ります。

「そして、あれもこれもやらない。とにかく一つに集中する」
この2つがなければ、事業は立ち上がらない——
これは18年間の実体験から導き出された、重みのある言葉です。

なぜ上場を目指したのか——目的は「信用力」と「知名度」

上場を意識し始めたのは、創業から10期を終えた2017年頃。
当初は東証マザーズ(現グロース)も検討しましたが、現実的な選択としてプロマーケットを目指します。

一度は2020年に上場準備を断念。
しかしその後も歩みを止めることなく、ついに2025年12月、Fukuoka PRO Marketへの上場を果たしました。
上場の目的は、資金調達ではありません。

「信用力アップと、知名度アップ。この2つです」
社員わずか8〜9名の会社が、九州電力、西部ガス、キヤノングループといった大企業の新人研修を任される——。

「これは個人の信用で何とかしてきた部分が大きい。
でも、上場すれば、会社として堂々と説明できる」


実際、リピート率は93%。
「一度使ってもらえれば良さは分かる。だからこそ、“まず知ってもらう”ための上場だった」

時価総額1,000億円への道筋

宮脇代表が描くビジョンは明確です。

  • 新入社員研修で日本一になる
  • 年間50万人の新卒市場で、まずはシェア1%(5,000人)
  • さらに10%(5万人)へ

「10%を取れれば、売上100億円、利益20〜30億円が見えてくる」
そこからM&Aや新規事業の可能性も広がり、時価総額1,000億円は現実的な目標になると
語ります。

社員が“どこでも生きていける力”を身につける会社

宮脇代表が大切にしているのは、社員の人生です。

「仕事で家庭を犠牲にしてほしくない。でも、家庭のために仕事が疎かになるのも違う」
有休取得、育休、昇給スピード——
中小企業としては高い水準を維持しながら、「万が一、会社がなくなっても生きていける力を身につけてほしい」と語ります。

営業力、ビジネススキルは、最大のリスクヘッジ。
それを社員一人ひとりに残すことが、経営者の責任だという考えです。

これからの日本と人材育成

人口減少が進み、新卒は売り手市場が続く。
一方で、企業は人材の質に悩み、上司はハラスメントを恐れて指導が難しくなる。

「若い人たちが成長しないと、日本自体が良くならない」
その中で、第三者として研修会社が果たす役割は、今後さらに重要になると宮脇代表は見ています。

AIの進展による雇用構造の変化も見据えながら、
「だからこそ、人としての基礎力、社会人としての自覚を育てる研修が必要」と語る言葉には、強い使命感がにじみます。

起業家・経営者へのメッセージ

最後に、これから起業する人、成長を目指す経営者へのメッセージをいただきました。

一つ目は、理念を本気で作ること。
二つ目は、事業を絞り込むこと。

「この2つがなければ、事業は立ち上がらない」
18年の試行錯誤と実体験から語られるこの言葉は、多くの経営者の胸に響くはずです。

セールスアカデミーの挑戦は、まだ始まったばかりです。
“営業で人を育て、企業を強くし、日本を良くする”。
その理念が、これからどこまで社会を動かしていくのか——。
インプレス福岡は、今後も注目し続けていきます。

福岡・東京の営業研修専門会社
株式会社セールスアカデミー

\お問い合わせはこちら/

目次