TOP > 我が社の起業と苦労話し

第1回 グランドウエア㈱ 金丸 博様  /  第2回  ㈱ジャパンシーフーズ 井上 幸一様
第3回  (有)リード・クリエーション 福泉 礼二様  /  第4回  ㈱アビリティ・キュー 貞池 龍彦様
第5回  クサカベ印刷 日下部 俊明様  /  第6回  ㈱ビッグロードBIG ROAD 金川 俊一様
第7回  有限会社近藤スタジオ 近藤 宏一郎様  /  第8回  (有)羽山プロジェクトオフィス 羽山 直臣様
第9回  設備設計 有限会社シード設計社 鶴 澄様  /  第10回  シーエススチール株式会社 松原 照明様
第11回  有限会社建装舎 小澤 喜芳様  /  第12回  有限会社ショップハチ・ナナ・ハチ 田中 正春様
第13回  岡部不動産株式会社 岡部 利行様  /  第14回  おかはち事務所 岡部 八郎様
第15回  株式会社ティーアイプロジェクト 石川 哲也様


㈱ビッグロード BIG ROAD金川俊一様


福岡市東区で美容室を経営しておられるBIG ROADの金川俊一様にお話を伺いました。
取材中、終始笑顔でスタッフの方々への気遣い、声かけがとても明るく印象的でした。
起業前から現在までのご自身の体験を熱く語っていただきました。




最初は美容師をしていました。全国に400店舗ほどある大きな企業でした。その会社で技術を身につけました。21歳~24歳くらいまで様々なコンテストに出場し、賞をもらいました。賞をいただけるほどの技術をもっていれば、この業界では生きていけます。そのとき自分の先輩からアドバイスとして技術以外で食べていく方法を見つけることを教わりました。今、両腕がなくなってしまっても(技術が使えなくなったとき)生きていけるように、マネジメントの勉強を始めました。経営や組織についてのノウハウの勉強です。「経営は科学」、つまり「覚えるもの」です。現状やこれからの理想、問題点など紙に書き出し、整理することで上手く続けていくことが出来ます。

美容師としてはさみを置いたあと、店舗を管理する側の仕事につきました。26歳のときです。売上が悪い店舗の成績を上げるために全国を飛び回って仕事をしました。業績の悪い店舗は元気がないことが多いため、朝礼から変えていき、朝礼コンクールなどにも挑戦していました。朝礼は今でも続けています。


全国で飛び回って仕事をし、時には大勢の人が集まるグループを26歳の自分が 仕切っていました。管理する側になって気づいた事がありました。自分は統括する側の 人間なので、自分がなにもしなくても周りが勝手に働いてくれるのです。自分が頭で考え、紙に書いた内容を周りにさせているのです。このままでは自分1人では何もできない人間になってしまうと気づきました。これが27歳のときです。そのとき会社の社長(現在も付き合いがある)に2年後に自分のお店を出すことを宣言しました。一緒に働いている スタッフと経営をしていきたいという考えと、もっといろんな所へ展開をしていきたいと言う思いが社長とのビジョンの違いであり、独立の理由でした。「お店を出せばお金持ちになれる」という考えではなく「自分のいきたい方向へいく」という気持ちで独立しました。



起業したときは自分と妻、スタッフの3人でスタートしました。 それまで大勢のグループの統括をしていた自分からしてみると3人でのスタートは全く おめでたい事ではなく、どちらかというとがっかりした気分でした。ビジネスマンになりたかった自分からすると、みんなには内緒にしておきたい気持ちでした。

独立して最初のころはお金もなく、お店の事はすべて自分が中心でやっていました。そのため自分が風邪を引けばお店は休みになるくらいの状況でした。早朝、妻が作ってくれたおにぎりを食べてから夜中まで働き続け、日々仕事に追われていました。気付けば1年を過ぎたころ手元に相当な金額のお金が残っていました。その売上金を次の店舗への投資にあて、展開を広げていきました。



現在、金川様の経営する店舗は東区に6店舗あります。総勢30名ほどのスタッフが日々忙しく仕事をしてあります。店舗の中には、写真スタジオや(金川様が自ら写真を撮ります)2階がバーになっている店舗もあります。すべて美容室で働くスタッフと一緒に運営されています。

初めてお店に来られるお客様には、必ず会社の企業理念を説明されるそうです。21世紀は心の時代です。ただ売上のために事業をしても長くは続きません。BIG ROADの仕事は「お客様に喜んでいただくことであり、業績があがらないのはお客様に喜んでいただいていないから」という考えをスタッフ全員で共有されています。お店に初めてご来店いただくお客様にはこの考えをしっかり説明しているそうです。そうすることで、お店に対する信頼感、プロに頼んでいる安心感が伝わって生まれます。お客様からお金をいただくことに関して、しっかり責任を取る、1つのラインを超えることを常に意識しています。「プロ」とは「安心」であり「責任を持つこと」である。働くスタッフ一人一人がこのことを自覚することで、BIG ROADの仕事感である「お客様に喜んでもらうこと」に繋がっています。





人に喜んでいただくことです。
仕事もプライベートも関係ありません。どんなことでもいいので、人に喜んでいただくことが自分にとって一番元気をもらえます。




話しをあげれば色んなことがありました。一つ一つの出来事に長いエピソードがあります。しかし、どれも苦労話しかどうかはわかりませんが、今となっては面白い話しです。
3つ目の店舗を作っているとき先に代金を支払った内装業屋さんに逃げられたことや、 いかにも危ない人がお店に車で突っ込んできた事もありました。しかし、どれも終わってしまうと面白いと考えられるようになりました。悪い人などに絡まれても、怖さよりも 自分の気持ちにスイッチが入ることで冷静に対応できるようになったし、何事も楽しんだもの勝ちだと思います。
自分の母は長崎で原爆を体験した時代の人で、母の経験に比べたら自分に起きている事 なんて大したことではないと思います。





喜んで生きる事、人のせいにしない事です。
何事も自分の選択である事。あの人のせいで・・・と人のせいにすることで希望が見えなくなります。常に自分の選択で決めていって欲しいのです。 仕事においては前にも書いたように価値ある仕事をすること、お客様を喜ばせることです。

社員教育の一環で「人間魅力日々向上」というテーマを掲げています。 「人間魅力」とは「別れた後また会いたい人」であることです。そういう社員になって ほしいです。そのためにはいやなことやしたくない仕事も自分のため、魅力向上のためと頑張る事です。次に繋がる我慢はした方が良いです。明日に繋がるからです。





好きな曲名か取ってきました。また大きな道を歩みたいと思いつけました。
母から聞いた話しですが、実は祖父の戒名にも「大道」と入っているそうです。
大事な契約のときなど、亡くなった祖父に助けられた事もありました。











取材の中で印象に残る言葉を多く聞かせていただきました。その一つに相手に感謝を伝える時は「3回お礼を言う」という事です。食事をご馳走になった時には、次に会った時にもお礼を言う。相手がその事を忘れていたとしてもこちらから感謝を伝える事が大切だとおっしゃっていました。

また、感謝するときは相手と出会った日と相手のフルネームを思い出す事が大事だそうです。そうする事でより相手との記憶が思い出され、より深く感謝する事が出来るそうです。これは起業する人だけでなく、すべての人に当てはまると思いますし、こういう心がけを忘れずに仕事をしたいと思います。


金川様の会社は29歳で独立され、今年で27年目になります。スタッフ、お客様、関わる人に喜んでいただくことを常に考えてこられたからこそたくさんの方々に愛され、関わる人もまた笑顔でいられるのだと感じました。3時間近くご自分の体験談から考え方、生き方、想いを熱く語っていただきました。

本当にありがとうございました。
平成27年2月19日取材


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