TOP > 我が社の起業と苦労話し

第1回 グランドウエア㈱ 金丸 博様  /  第2回  ㈱ジャパンシーフーズ 井上 幸一様
第3回  (有)リード・クリエーション 福泉 礼二様  /  第4回  ㈱アビリティ・キュー 貞池 龍彦様
第5回  クサカベ印刷 日下部 俊明様  /  第6回  ㈱ビッグロードBIG ROAD 金川 俊一様
第7回  有限会社近藤スタジオ 近藤 宏一郎様  /  第8回  (有)羽山プロジェクトオフィス 羽山 直臣様
第9回  設備設計 有限会社シード設計社 鶴 澄様  /  第10回  シーエススチール株式会社 松原 照明様
第11回  有限会社建装舎 小澤 喜芳様  /  第12回  有限会社ショップハチ・ナナ・ハチ 田中 正春様
第13回  岡部不動産株式会社 岡部 利行様  /  第14回  おかはち事務所 岡部 八郎様
第15回  株式会社ティーアイプロジェクト 石川 哲也様


クサカベ印刷 代表 日下部俊明様


ご自宅の納屋を工場に改装して印刷業を営まれているクサカベ印刷の代表者 日下部俊明様にお話を伺いました。
従業員の方々と一緒に工場で印刷機を操作されている現役の印刷屋さんです。 また、つい先日創業20周年の記念パーティーも盛大に開催されました。




学校を卒業して地元の大手印刷会社で働いていました。様々な印刷物の部署があり100人以上の社員が働いていました。そこで印刷業のいろはを覚え、数年後には大型の輪転機を動かす部門を任されて部下が10人ほどいる責任ある地位も経験しました。この会社で6年間働きました。

次に自動車の整備・修理などを行う会社に入りました。伯父さんの会社で、その伯父が軍人だったこともあり、親戚であることなど関係なく、仕事面ではとても厳しく指導されました。ここの仕事で経験した機械をばらして組み立てる技術は今でも役に立っています。しばらくこの会社に勤めていましたが、体調を壊したため辞職してその後、再び印刷業界に戻りました。

再び印刷業界に戻った会社で印刷機をまわす仕事に従事していました。半年くらい経ってやっと機械にも慣れた頃、社長が会社の整理を始め、20名以上いた人員を10名程度に縮小されました。多額の負債があったようです。この会社には13年お世話になりました。 その間借金返済も順調に進んでいるようでしたが、突然社長が亡くなったのです。 それから1年間、奥様を中心に社員一同力を合わせて頑張ったのですが、廃業という決断を余儀なくされたのです。4月28日に「会社を5月いっぱいで廃業する。」という宣告をされたことは、今でもはっきりと覚えています。

自分はこれからどんな仕事を探せばいいのかとても悩みました。会社の印刷機械は廃業のために売り先が検討されていましたが、別のところに売られてしまうくらいなら自分で購入し開業しようと決断しました。その時背中を押してくれたのは、「よそに行くなら自分で始めたら」という妻の一言でした。父に相談し、自宅の納屋を改装しました。 こうして7月の暑い日、機械が納入されてクサカベ印刷が開業しました。



起業当時は現在の工場長とパートさんの3人でした。以前の会社で共に働いていた営業の人が仕事を受注してきてくれていたので仕事はありました。 しかし、お客さんからの支払いが滞ったため、仕事はあるが給料が払えないという事が続きました。この時の資金繰りには相当苦労しました。
それでも何とかやり繰りしながら5年半ほど月日が経過していきました。 その頃は仕事量もまだまだ十分ではなく、新たな仕事を探す日々が続いていたところに ある印刷会社と知り合うチャンスを得ました。その会社の下請けを希望する話をしてみたら、先方もちょうど下請け先を探しているということでした。正に渡りに舟でした。その会社との取引は当初からうまく進み、現在でもいいお付き合いをさせてもらい感謝しています。




人です。
売上やお金より人(従業員)が大切です。自分の中では工場長の存在が大きいです。 ずっと一緒に働いているスタッフだからです。
また仕事を発注してくれるお客さんが別のお客さんを紹介してくれることもあります。 うちに出入りする人はみんなうちの営業さんだと思っています。

一度、下請けをしている会社からの仕事でミスをした事があり、売上の倍以上の罰金の支払いを求められました。
このとき、調子にのるなと忠告をされているのだなと感じました。自分の仕事と長く関わりがある人ほど気をつかう事が大切だと気づきました。
「してやってる」と思いながらすると相手に見抜かれます。「おかげ様」という気持ちが大切で、どんな事にも感謝、感謝の気持ちを持とうと思っています。




人の輪が増えた事が一番の成果です。自分で印刷業を始めた当時は起業した事が周囲に伝わっていませんでした。 同業者の誘いで印刷組合に入会したお陰で多くの同業者の人と交流する事が出来ています。老舗の印刷会社や地元でも大手の印刷会社など多くの人と知り合うことが出来ました。
また最近では、自分の時間を持てるようになり印刷以外の会社の仕組みを作ることにもつながりました。従業員は私の日々の行動には理解してくれていて、感謝しています。





日頃お世話になっている印刷組合員の方々や取引先を招待したところ、ほとんどの方にお越しいただき盛大に執り行うことが出来ました。
本当にびっくりして、お越しいただいた ことがとてもありがたいと心から思いました。







次の代は、工場長がリードしていくと思います。
自分も機械が動いてくれる限り共に頑張ろうと思っています。





ありがとうございました。
平成26年12月5日取材

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