TOP > 我が社の起業と苦労話し

第1回 グランドウエア㈱ 金丸 博様  /  第2回  ㈱ジャパンシーフーズ 井上 幸一様
第3回  (有)リード・クリエーション 福泉 礼二様  /  第4回  ㈱アビリティ・キュー 貞池 龍彦様
第5回  クサカベ印刷 日下部 俊明様  /  第6回  ㈱ビッグロードBIG ROAD 金川 俊一様
第7回  有限会社近藤スタジオ 近藤 宏一郎様  /  第8回  (有)羽山プロジェクトオフィス 羽山 直臣様
第9回  設備設計 有限会社シード設計社 鶴 澄様  /  第10回  シーエススチール株式会社 松原 照明様
第11回  有限会社建装舎 小澤 喜芳様  /  第12回  有限会社ショップハチ・ナナ・ハチ 田中 正春様
第13回  岡部不動産株式会社 岡部 利行様  /  第14回  おかはち事務所 岡部 八郎様
第15回  株式会社ティーアイプロジェクト 石川 哲也様  


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もともと家業で魚の加工をしていた井上社長は38歳で独立、起業をされました。 福岡市東区箱崎埠頭の4階建ての工場で実際に魚の加工している現場も見学させていただきました。 「生」を基本としているため加工された商品は、その日のうちに飛行機などで主に全国のスーパー マーケット等へ発送されます。


父が柳橋連合市場で鮮魚店を経営しており、スーパーやデパートに支店を構えておりました。私たち兄弟はみな、その支店の店長としてそれぞれ店を任され、私も当時の駅ビルで
あった博多井筒屋(現在では博多阪急)で店長を務め、大衆魚から高級魚
まで幅広く色々な魚を販売しておりました。

当時は今まで家にいた女性たちが外で働き始めた頃で、それまで鮮度の良さと品揃えの
多さをウリに魚を販売していた時代から、次第にゴミがでないよう下処理をし、簡単に調理ができるよう切り身にしたものが売れる時代へと変わっていきました。

「できるだけ手間を省きたい」というお客様の声にこたえる為にもバックヤードでの仕込み
業務をさらに強化し下処理して店頭に並べていました。しかし便利で使いやすさを求めるお客様の声は今後さらに大きくなると感じ、切り身に加工した商品を作る工場をもった食品加工メーカーを作ろうと考え起業に至りました。

こうして立ち上げた工場では、鮮魚店同様ふぐなどの高級魚を調理のしやすいよう加工して販売しておりましたが、
しかし鮮魚店と食品メーカーとでは大きくノウハウは違い、旬の魚を扱っていては季節によって忙しさも売り上げにも
偏りが出てしまい、工場をうまく稼働させることの難しさを痛感しました。そこで夏に旬になる「アジ」に目を付けたのです。

アジは夏の時期に沢山獲れる大衆魚でありますが、身は小さく小骨が多くまたゼイゴというアジ独自の硬い鱗が尾びれの
付け根についてます。アジの加工は今まで手掛けていた高級魚に比べると、手が掛る割に加工しても単価は安く、
なおかつ身が小さいため売上を作るにはかなりの数をこなさなければなりませんでした。

しかし、アジは魚屋時代季節を問わずいつでもよく売れていた人気の商材でした。このアジをパック詰めにして、量産
できれさえすれば必ず勝算があると考え、海外より魚を瞬時に三枚卸にする機械を取り寄せ、アジ加工のための工場へと
シフトチェンジを図りアジに特化した加工メーカーへと生まれ変わりました。 「生」のままパック詰めを量産することが可能になり、
全国のスーパー・量販店様からアジに特化した水産加工メーカーとして認知され、取引は全国へと広がって
行きました。




売れる商品をつくるまでが一番苦労しました。誰に売るのか相手は分かって
いましたが、「何を売るか」が重要です。また一般のお客様ではなく、スーパー
マーケットなどに鮮魚を卸す仕事なので、プロに買って頂くわけです。

自分たちの販売したい価格とお客様が買いたい価格に差があり、自社商品にいかに付加価値をつけるかが大変でした。度重なる試行錯誤の末、多くの失敗も経験して3年程
掛ってようやくヒット商品に結び付きました。

売上が上がり始めた頃から次の課題として出てきたのが「仕組みを作る」ということでした。10億の壁にぶつかり経営の書籍を読みあさり、その時にランチェスタ―の法則に出会いました。そこで戦い方には強者の戦略と弱者の戦略という2通りの戦い方があり、大手の真似をしても失敗してしまうこと、そして弱者は弱者なりの戦い方があることを知りました。黒子は黒子なりのやり方を見つける事が大切なのだと思いました。




諦めないことです。99%無理だといわれても 1%の可能性があるならそこにかけてみようと思っていました。周りの従業員や家族など不幸にしたくないという思いが強かったのです。やり続ければ困難な事でも
モノになると信じていました。



デパートで鮮魚を販売していた頃に、100円の商品を購入したお客様にも差別なく心を込めてお礼の挨拶をしていました。そこでどんなお客様にも感謝の思いを挨拶で伝えることの大切さを学びました。

また工場を見学に来ただけの方も、この会社に関わった人である以上お客様であり知らん顔はあり得ません。社内に関わる人はたとえ業者さんであってもお客様だと思っています。






100年企業を目指すことです。
企業とはもともと衰退していくように出来ています。一番繁栄している時期、成熟期にいかに新しい商品やサービスを考えていけるか、それを続ける事で企業は存続していけると思います。所謂、「残る企業」ですね。 新しい展開は目指すけれど、今後もベースはアジ、サバを使っていきます。青物は体にもいいですし。アジ、サバで日本一の企業を目指します。




  ありがとうございました。
  平成26年9月30日取材

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